『異物志』を利用した「南シナ海諸島二千年」といふ嘘について、
http://senkaku.blog.jp/archives/40185271.html
文章を書く準備を今してゐる。
 子供が或る小學生夏期合宿五日間に參加して、昨日金曜に博多で解散した。母親が迎へに行く筈だったが、私が行き、ついでに大きな圖書館で浦野起央氏らの先行研究を確認した。新たな情報は何も得られなかった。得られないと確認することが重要なのである。
 數日間、色々と論文を讀んだ結果、決定的な先行研究は、
饒宗頤(ぜうそうい)著「太清金液神丹經(卷下)與南海地理」
であった。昭和四十五年、『香港中文大學中國文化研究所學報』第三卷第一期所載。
http://public.dha.ac.cn/Content.aspx?id=983907320776&Page=5
この論文は、 『正統道藏』所收『太清金液神丹經』
http://ctext.org/library.pl?if=gb&file=99808&page=81
http://library.ctext.org/s2350582/s2350582_0081.png
に見える三國時呉國の萬震『南州異物志』佚文を論じてゐる。チャイナ政府もこの論文を高く評價してゐる。
http://theory.people.com.cn/BIG5/n/2014/1201/c40531-26126552.html
ただ、饒宗頤氏は西洋の鐵甲艦が南シナ海まで來てゐたなどの重要點には論及してゐない。論及するまでもなく明らかだから、論文には書かなかっただけだらう。
 この論文は南シナ海の領土論爭の中で全く利用されてゐない。チャイナにとってこの論文の『南州異物志』佚文は都合が惡く、日本にとっては遠い南シナ海についてそこまで追究して來なかったのが實情だらう。數日中に私が何らかの媒體で書くつもりだ。日本の危機、アジアの危機だから。


香港中文大學