11月7日の尖閣四項目合意は日本の外交的勝利だといふ人が多い。
合意文書、第三條:
『双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。』

これが日本の勝利だと言ふならば、他の日本領海にもあてはめたら良い。


『双方は、琉球列島等日本附近の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。』

『双方は、小笠原諸島等西太平洋の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。』

------------------
昨日11月10日のAPEC會談で日本が外交的に
勝ったとする根據は、尖閣に言及しなかったこと及び
習近平が笑顔を見せなかったことだ。
報道でも評論でもさう評價されてゐる。
兩者は同じことであり、尖閣に言及でき
なかったからこそ笑顔を見せるわけに行かなかった。
しかし同時に11月7日合意文書でも日本が勝ったと
するのは論理として通じない。
尖閣に言及しなかったことが勝利だとすれば、
逆に尖閣に言及した合意文書が敗北であることを
示してゐる。
領土問題が有らうが無からうが、
言及して歴史に記録を留めてしまったのである。
日本としては言及したくなければ、
「日本近海に出現するチャイナの海賊船を
 チャイナ出港前に取り締まるシステムを構築する
と合意すれば良いではないか。
その合意にもとづき日本の取締官が福建に
出張して檢査すれば良いではないか。
小笠原も尖閣も一石二鳥である。
なぜかくも易々と尖閣に言及して、
しかも異なる見解とまで記載してしまったのか。
それは日本の國力が弱いからではない。
自民黨左派及び財界及びアメリカが、尖閣の歴史を
輕く考へてゐて、安倍首相に壓力をかけたからだ。
不必要なAPEC首腦會談を拒絶しなかったからだ。
歴史意識の缺如が大失策を招いた。

-------------------
昨日のAPEC會談そのものでは
尖閣の文字が出なかったので日本の勝ちだ。
しかしその前の合意文書で「領土問題としなかった」、
といふだけの小さな勝ち方では私は滿足できない。
歴史上で一貫して文化的軍事的漁業的にゼロだったチャイナが、
「尖閣」とならべて「異なる見解」「對話」の文字を
公式文書に入れさせた。ゼロでなくなった。
11月7日以後、尖閣は百對ゼロでなく、99對1になった。
日本はなほ壓勝だが、100の歴史をみれば
現在の99はとても悲しい。
もちろん「領土問題」として今でも100對ゼロであることは
否定しない。しかし領土主權だけでは不足だ。
主權以外の全てを失へば竹島になる。
尖閣に於いて今迄通り、領土でも文化でも歴史でも
チャイナをゼロに封じ込めるのが正しかったのだ。
歴史意識を持たぬ自民黨が、1を相手に與へてしまった。

チャイナでは、契約書は相手に守らせるもの。
日本では、契約書は自分が守るもの。
この言ひ方は既に有名だ。その通りだと思ふ。
契約する事自體が日本の敗北なのだ。
この失地を挽囘するには、自衞隊上陸常駐以外に無くなった。