琉球新報が輿論を誤導してゐる。まづは原文。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229639-storytopic-12.html
https://archive.today/D5pv0
<金口木舌>「しまぐゎー」でいいじゃない2014年8月5日
 尖閣諸島にある名称のない五つの無人島に名前が付いた。名付け親は日本政府。晴れのお披露目はなく、同時に名が付いた全国153島と共にホームページで一挙公開となった。少々味気ない
▼それにしても官製の島名はいただけない。「南東小島」「南西小島」「東小島」などと方角の羅列では興がさめる。久場島と南小島の周辺にある小島らしい。マージャンの牌(ぱい)が頭に浮かんだ
▼沖縄の祖先は尖閣の島々にしまくとぅばの名を残した。魚釣島は漁具の銛(もり)を指す「いーぐん」。島の形が似ているそうだ。南小島と北小島は、その小ささを表して「しまぐゎー」。お仕着せの島名より親しみが湧く
▼琉球と中国を行き来した進貢船や冊封船は、尖閣の島々を「海の標識」とした。伝統的な漁場でもあった。歴史や風土とは縁のない島名を頂いても県民は喜ぶまい。日中関係の悪化を心配するばかりだ
▼島々を目印に海原を渡った祖先に学ぼう。往時のうみんちゅの気概にも。いたずらに国同士の領有権争いには巻き込まれるまい。島に生きるわれわれは「しまんちゅ」。されど心は「インターナショナル」でいこうじゃないか。

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この記事の中身は、ほぼ嘘に近い。そもそも日本政府は地元での聞き取りにもとづいて全國で名づけてゐる。「採用」ではあるが「官製」ではない。地元の通名が無い場合だけ東西南北とした(讀賣報道)。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140801-OYT1T50173.html
https://archive.today/E85qr
 魚釣島の南小島・北小島は今囘の命名ではない。それを今囘の命名の如くに書く琉球新報は、故意に歪曲してゐる。「南東小島」「南西小島」「東小島」には「しまぐゎあ」のやうな地元名が無いから方角の命名となったのである。言ひがかりも甚だしい。かりに地元名が有ったのなら、それを直接記事にすれば良いではないか。無いから別の南小島・北小島を持ち出して言ひがかりをつける。
 更に「進貢船や册封船は海の標識とした」といふ記述も印象操作だ。まるで琉球と明清とが同等のやうな記述だ。實際には册封船の水先案内人も琉球人であって、チャイナ人は尖閣の島々を標識として利用してゐなかった。ただ琉球人の言ふことを記録しただけである。拙著『尖閣反駁マニュアル百題』 http://www.amazon.co.jp/dp/4916110986 を精閲して欲しい。
 册封につづいて「傳統の漁場」とする。まるで明國以來のチャイナ琉球共有の漁場だったかのやうに見える。とんでもない。明治以前に尖閣で漁業を行なった記録は一切存在しない。明治年間に沖繩の側が漁業を始めたのが最初だ。大正年間以後になると臺灣の漁船も來るが、その時の臺灣はチャイナではない。チャイナ漁船が尖閣で操業したことは、昭和二十年の敗戰まで數百年の歴史上、ただの一度も無い。昭和二十年以後も、文化大革命終結の頃まで、中華人民共和國の漁船は一度も來てゐない筈だ。
 沖繩の新聞でありながら、沖繩の先人の功績を貶めるこのやうな記事。
沖繩の物をチャイナが奪はうとしてゐるのに、インターナショナルで良いとは何事か。自分の物を他人と共有するつもりか。琉球新報が沖繩の利益を代表する意志を根本的に有してゐないことがよく分かる。沖繩人は怒るべきだ。
離島命名