ドイツのメルケル首相が古地圖を習近平に贈った處、その地圖に尖閣やチベットなどが
含まれてゐなかったので、「毒入りの贈り物だ」と話題になってゐる。リンク:

http://www.fsight.jp/26585
https://archive.today/Rpln2
https://www.youtube.com/watch?v=jrukBxGVgJI
https://archive.today/lM0vM
https://archive.today/0Lw1b
https://archive.today/xxfeF
https://archive.today/FIh3u
報道やウィキペディアなどからみるに、元の地圖は
西暦1737(MDCCXXXVII)年のダンビル(d'Anville)氏製チャイナ圖
「Nouvel atlas de la Chine, de la Tartarie chinoise et du Thibet」
(チャイナ、チャイナ韃靼、及びチベットの新地圖册)

http://gdz.sub.uni-goettingen.de/de/dms/load/toc/?PPN=PPN340023538
http://gdz.sub.uni-goettingen.de/de/dms/load/img/?PPN=PPN340023538&DMDID=DMDLOG_0009
http://gdz.sub.uni-goettingen.de/de/dms/load/img/?PPN=PPN340023538&DMDID=DMDLOG_0010
http://en.wikipedia.org/wiki/File:CEM-44-La-Chine-la-Tartarie-Chinoise-et-le-Thibet-1734-2568.jpg
もしくは類似圖であるらしい。
1737年地圖册のうち福建省(Fo-kien)部分では、清國が
臺灣島の西海岸(右下方)
だけを
領有してゐたことを正しく記録してゐる。もちろん尖閣は枠外である。

http://gdz.sub.uni-goettingen.de/de/dms/load/img/?PPN=PPN340023538&DMDID=DMDLOG_0014
d'Anville1737福建DGZ
これはそもそも清國自身の認識にもとづくこと、
島嶼研究ジャーナル3-1「華夷秩序に無主の地あり――琉球、尖閣、くにのかたち」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4905285283/
に書いておいた。
メルケル女史が「チャイナは小さかった」と示す意圖だったのか否か定かでないが、
そもそもこの種の地圖は歐洲では極めて普遍的であり、
尖閣をチャイナ領土とする歐洲製地圖は一つも存在しない。
どの古地圖を贈っても結果は同じである。
古地圖を贈るといふ儀式そのものがチャイナに對する諷刺となってしまふ。
ドイツが最近チャイナに媚びる態度からみれば、
メルケル女史には諷刺する意圖は無かったと思はれる。

メルケル女史如何を問はず、日本政府(内閣府領土調整室)は
歐洲製古地圖を大量に蒐集すべきである。歐米のインターネット古書店で購入できる。
蒐集すれば必然的に尖閣がチャイナ領土外の無主地だったことは明らかになるし、
尖閣を琉球國領土に含める古地圖も散見する。
それは新刊拙著『尖閣反駁マニュアル百題』第四部附録論文「尖閣南北航路説」

http://www.amazon.co.jp/dp/4916110986
に書いた通りである。
蒐集の際に留意すべきことが有る。彩色で領土分界を表現する古地圖は、
手彩のため彩色年代を確定しにくい。
日本政府が購入後に彩色を改竄したとの疑念を抱(いだ)かせないために、
購入前に第三者(アメリカの圖書館など)に委託して精密に撮影し、
その後に日本が原圖を保管すべきである。
チャイナが彩色を改竄した疑ひのある圖も存在すること、
上記拙著に書いておいた。自分がやる改竄は日本もやるだらう、といふ
下衆の勘繰り(小人の腹を以て君子の心をはかる)を防備せねばならない。

丁度數日前の報道によれば、日本政府は尖閣の史料を蒐集して電子編纂するさうである。
近代日本の尖閣史料だけでお茶を濁すか、それとも本格的史學の態度を以て
あらゆる古史料を蒐集するのか、見守りたい。私の力を必要としてくれるだらうか。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0803C_Q4A720C1PE8000/
「尖閣・竹島の歴史資料を電子編さん 政府が発信強化」
    2014/7/20 23:52    日本経済新聞 電子版
 政府は沖縄県・尖閣諸島と島根県・竹島(韓国名・独島)に関する情報発信力を強化する。全国に散らばっている郷土史などの歴史資料を集め、電子化したうえで編さんする。英語訳もつける方針だ。領有権を主張する中国や韓国が海外での広報活動を強化していることに対抗する。資料は学校教育にも役立てるとともに、教員向けには特別の研修も実施する。
 領土や主権に関する歴史的な資料は各地に散在していることが多い。尖閣や竹島……