漢字といふものは國民が使ふことが大切。使へば認められ易い。極めて大切なニュース二件。そもそも、障と碍とは同義。訓「さまたげ」。
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【独自】「碍」常用漢字追加は見送り…文化庁方針「障害表記が一般的」
2021/02/26 15:27 讀賣
  東京パラリンピックを前に、法律などの「障害」の表記を「障碍」と改めるため、常用漢字への「碍」の追加を検討してきた文化庁は26日、追加を見送る方針を固めた。同日午後の文化審議会小委員会で結論をまとめる。
 「害」の字は「公害」や「害悪」などに使われイメージが悪いとして「障碍」に変えるべきだとの意見が一部の国会議員や障害者団体などから上がっている。衆院文部科学、参院文教科学両委員会では2018年、東京五輪・パラリンピック大会を見据え、常用漢字への追加の可否を検討するよう政府に求めていた。
 常用漢字を選ぶ基準には、社会生活でよく使われ、必要と認められていることなどがある。しかし、17年の内閣府調査では、「障碍」がふさわしいと思う人の割合は2・5%だった。
 小委員会は、「害」は新聞などの一般的な文章で多くみられるが、「碍」は複数のアンケート調査の結果などから使用が広がっていないと判断した。ただ、小委員会のまとめには「次の常用漢字表の改定で改めて検討する」と明記し、将来の追加の可能性を残す。
 26日のまとめは、今年度内の文化審議会分科会に報告され、確定する見通し。
 法令や国の公用文は常用漢字に従う必要があるものの、地方自治体や民間団体が「碍」を使うのに制限はない。兵庫県宝塚市は19年4月から公文書などの表記を「障碍」に変更している。



 宝塚市が全国初の試み 公文書に「障碍」表記を採用
•2019/02/15 サンテレビ
 宝塚市の中川市長は15日の定例議会で、市が作成する公文書などで全国で初めて障害者の「がい」の字に石偏の「碍」の字を使うと表明しました。
 15日から宝塚市の定例議会が始まり、中川智子市長が2019年度の施政方針を述べました。この中で中川市長は、障害者の「がい」の字について、従来の「害」には災いや人に危害を加える意味があるとして、全国で初めて市が作成する文書で石偏の「碍」を使うと表明しました。
 運用の開始はことし4月で、市の条例の条文や担当課の名前も文字を改める方針です。


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公文書に「障碍」使用へ 兵庫県宝塚市が全国初 4月から運用
2019年2月5日 8:28  日經・共同通信  
  兵庫県宝塚市が障害者政策などに関する公文書に「障碍」の表記を使う方針を決めたことが、5日までに市関係者への取材で分かった。市によると、常用漢字表にない「碍」を公的に使用する自治体は全国初とみられる。4月から運用を始める。
  一般的に法律や公文書で使う漢字は、常用漢字表が基準となっている。宝塚市もこれまで条例の条文では常用漢字表にある「害」を使用してきた。一方で「この文字は障害のある人に問題があるかのような否定的なイメージがある」として、市のホームページや広報資料では「障がい」と平仮名書きにして使い分けてきた。
  専門家によると「碍」の文字には「岩が旅路を妨げる」の意味が込められており、「障碍」と表記すればハンディキャップのある人は行く手が阻まれているとする実態に即したニュアンスに近くなる。市の案では、条例も含めた全ての表記を「障碍」に統一する。読みにくいため、定着するまではルビを振るという。
  市幹部は取材に「障害者団体からもおおよそ理解を得られた。平仮名と使い分けるのは分かりづらく、正しい由来の漢字を使うべきだ。国にも変更を促すには、まず自治体が事例を示す必要がある」としている。
  ハンディキャップのある人のスポーツ参加を促進しようと、衆院文部科学委員会が昨年5月、常用漢字表に「碍」を追加するよう政府に検討を求める決議をした。文化庁の文化審議会国語分科会が検討に着手し、昨年11月に「地方公共団体や民間が『碍』を使うことを妨げるものではなく、それぞれの考えに基づいた表記が可能」とする見解を示した。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40896850V00C19A2AC1000/

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宝塚市の英断―公文書における「身体障害」の表記を「身体障碍」に変更することに―
園田寿 | 甲南大学法科大学院教授、弁護士
2019/2/5(火) 12:03  yahoo 
 兵庫県宝塚市が、公文書における「身体障害」あるいは「身体障がい」の表記から、「身体障碍」に変更するというニュース。

    兵庫県宝塚市が障害者政策などに関する公文書に「障碍」の表記を使う方針を決めたことが4日、市関係者への取材で分かった。市によると、常用漢字表にない「碍」の文字を公的に使用する自治体は全国初とみられ、4月から運用を始める。

出典:共同通信:公文書に「障碍」使用へ、宝塚市 全国初、4月から運用

 「身体障害」は、むかしは「身体障礙(がい)」と書かれていました。ところが、戦後の国語改革で「礙(がい)」、あるいは「礙」の異体字である「碍(がい)」が当用漢字(常用漢字)に含まれなくなったため、「害」という字が使われ、「身体障害」と表記されるようになりました。
 しかし、「害」とは、「害悪」や「害毒」といった言葉のように、マイナスの意味が非常に強い言葉だといえます。そこで、ハンディキャップのある人びとを「身体障害者」と表記することの違和感から、「身体障がい者」とひらがな表記にすることが一般化してきました。
 今回、宝塚市が公文書に「身体障碍」と表記することを決定したということですが、これはまったく正しい考え方だと思います。
 もともと「礙(碍)」とは、〈旅人が山道で行く手に大きな石があって通れず、さてどうしようかと悩んでいる様子〉という意味だと、どこかで読んだことがあります。つまり、その人の外にあって、その人の行動を制約するものが〈害〉なのです。たとえば、車椅子の人が電車に乗ろうとして、その駅には階段しかなかったとします。そのとき、その人にとっての〈障害〉は、その人の内にある〈歩けないという事情〉なのではなく、その人の外、つまり駅の構造にあるわけです。たかが漢字表記の問題ではないかという人がいるかもしれませんが、決してそうではなく、言葉はその背後にある考え方を表します。役所はともすれば形式的なルールにとらわれがちですが、宝塚市の決定はまさに英断だと思います(他にも広がることを期待します)。
 なお、「障礙」の表記は、刑法にも関係があります。
 明治13年の旧刑法における未遂犯の規定は、「第112条 罪ヲ犯サントシテ已(すで)ニ其(その)事ヲ行フト雖(言えど)モ犯人意外ノ障礙(しようがい)若クハ舛錯(せんさく)ニ因リ未(いま)タ遂(と)ケサル時ハ已ニ遂ケタル者ノ刑ニ一等又ハ二等ヲ減ス」となっていました。これは、〈犯罪を犯そうとして実行に着手したが、予想外の障礙や精神錯乱によって遂げなかった場合は、既遂犯に比べて刑を一段階あるいは二段階減軽する〉という意味です。
 未遂犯には、(殺人のために振り上げた日本刀を、道義的な反省から元にもどした場合のように)自らの意思で犯行を止めた「中止未遂」と、それ以外の障害によって既遂に至らなかった「障害未遂」とがありますが、むかしの刑法の教科書や論文では、障害未遂は「障礙未遂」あるいは「障碍未遂」と表記されていました。
 今後、法律の世界でも障害未遂が障礙未遂と表記されることによって、未遂犯の考え方がよりはっきりするのではないかと思います。(了)
*宝塚市役所健康福祉部障害福祉課に電話で問い合わせたところ、今回の決定は現時点では最終決定ではないとのことでした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/sonodahisashi/20190205-00113705/


漢字幸兵衛
漢字や言葉の世相について好き勝手に綴っているブログです。
「碍」を常用漢字に
「碍」 の字を常用漢字とするかどうか、国の文化審議会で話し合いが続いている。障害者の「害」 に替わって使えるようにというニーズがあるためだ。この問題は2010年の常用漢字表改定の際にも検討されたが見送られている。理由は常用漢字にはなじまないということらしいが、よくわからない理由だ。
 「障害」 はもともと「障碍」 という表記だったのが1946年に制定された当用漢字の使用を円滑にするため、当用漢字表以外の漢字を同音の別の漢字に書きかえることが行なわれたのだ。その結果、「衣裳」が「衣装」 に、「交叉」が「交差」 に書き換えられたように「障碍」 は「障害」 と書き換えられるようになった。
 「碍」 は「さまたげ」という意味で「碍子」 という熟語もあるが、「害」 の字のようにネガティブなイメージはない。「障害」 は「碍」 の字を常用漢字として「障碍」 という表記に戻すべきだと思う。文化審議会は「この字は常用漢字にはなじまない」 というなら「なじまない理由」 を明らかにして説明して欲しいと思う。
http://kanjikobee.blog.fc2.com/blog-entry-135.html

障碍(がい)者
2018-11-23 23:50:54 | 之波太:柴田
 平成29年2月25日、柴田視覚障がい者福祉協会「四季さくら」が発足しました。
会の名称、会則について町担当者と事前に打ち合わせを行いました。町の担当者から「障害者」を「障がい者」と改めるようアドバイスをいただきました。障害者に「害」を付けるのは、間違っているし、今の主流は「障がい者」とのことでした。今回の文化審議会国語分科会で「碍」の字が常用漢字表に追加することが先送りされといいます。
 朝日新聞11月23日、社会面
 2020年東京パラリンピックを見据え、法律で障害を「障碍(がい)」と表記できるよう「碍」の1字を常用漢字表に加えるよう求めた衆参両院の委員会決議に対し、文化審議会国語分科会は22日、常用漢字への追加の是非の結論を先送りし、「常用漢字表は自治体や民間組織が『碍』を使うことを妨げるものではない」とする考え方を示した。
 法律や国の公用文で使う漢字は、常用漢字表に基づく。「障害者」などの表記には「害」が持つ否定的なイメージを不快に思う人がいる。障害者のスポーツ参加促進などを理由に、衆院文部科学委員会が5月、参院文教科学委員会が6月に全会一致で「碍」を常用漢字表に追加する検討を政府に求める決議をした。
 決議を受け分科会は検討を始めたが、同日、常用漢字の選定には「相応の審議が必要」と説明。常用漢字表は「目安」で事情に応じて考慮する余地があるとし、「現状でも『障害』と異なる表記を用いることが可能」との考え方をまとめた。文化庁の担当者は「次の常用漢字表の改定がいつかは決まっておらず、1字のみ追加した前例はない」と説明。審議は続けるとしている。
 「碍」をめぐっては、29年ぶりとなる10年の常用漢字表改定に際しても追加意見が多数出たが、社会で頻繁に使われているかなどの選定基準や、「害」と「碍」の意味が区別なく使われていたとみられることをふまえて見送られていた。この際にも常用漢字は「使用の目安」としていた。
 政府は当時、「障がい者制度改革推進本部」を設置して検討したが、ここでも結論がでなかった。国語分科会ではこの日、「障害当事者等の意向を踏まえて必要な検討が進められることも重要」とし、文化審議会の外の枠組みで障害者施策としての検討を求めた。
 文化庁によると、「しょうがい」という音にあたる「障害」と「障碍(礙)」は明治期から同じ意味で使われており、明確な使い分けはなかったが、戦後の「当用漢字表」やその後の常用漢字表に害の字のみが入り、「障碍(礙)」という表記は少なくなっていった。
https://blog.goo.ne.jp/toyowoomera/e/864a36d277cf0fbde0fae4f931bde6d2






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