The 正論【独自】尖閣で日本漁船追尾の中国公船の写真入手
2020.05.20

尖閣追尾令和二年五月金城和司3
尖閣追尾令和二年五月金城和司2
尖閣追尾令和二年五月金城和司1

 中国海警局の船が今月8日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入し、操業中の日本漁船に接近、追尾した事件で、月刊「正論」編集部は20日、海警局の船の写真を入手した。船は8日の後も連日、日本の領海内に侵入を繰り返した。写真は10日に漁船の金城和司船長が撮影した。「中国海警 CHINA COAST GUARD」の文字がはっきりと読み取れる。漁船の間近まで接近している様子がうかがえる。 写真は金城船長から地元紙八重山日報の仲新城誠編集長が提供を受けた。仲新城氏によると、機関砲を搭載している海警局の船は領海外におり、機関砲を搭載していない船が領海内に侵入してきたという。
 第11管区海上保安本部(那覇)によると、8日の現場は魚釣島の西南約12キロの海上で、海保が中国船に領海から退去するよう警告し、漁船の周囲に巡視船を配備して安全を確保した。漁船の3人にけがはなかった。海警局はブログで「(同局の)艦隊が8日、中国の釣魚島(尖閣の中国名)の領海内を巡視している」と宣伝したほか、中国外務省報道官は海保巡視船が「違法な妨害を行った」と非難した。尖閣諸島は日本固有の領土であり、中国海警局の船による行動は日本の主権を踏みにじる行為だとして、外務省は中国側に抗議した。中国公船は抗議にもかかわらず、その後も連日領海に侵入した。
 この問題にからみ、自民党の有志議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」の代表を務める青山繁晴参院議員は19日、首相官邸を訪れ、尖閣諸島周辺海域での海警局の船による挑発行動が活発化していることを踏まえ、習近平国家主席の国賓来日は延期でなく、中止とするよう求めるグループの提言を安倍晋三首相に提出した。
 提言は、尖閣諸島や周辺海域において(1)海洋自然調査団の派遣(2)米軍との合同演習の実施(3)船だまりの整備(4)海上保安庁巡視船の大型化(5)海難救助などを目的とした「魚釣島測候所設置法」制定(6)中国による領海侵犯行為の海外に向けた映像公開(7)習氏の国賓来日中止-を政府に求めた。

著者略歴    有元隆志    ありもと・たかし 産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人。1989年産経新聞社入社。政治部で首相官邸、自民党、外務省などを担当。2005年7月からワシントン特派員。13年10月政治部長、16年10月編集局総務、18年7月から現職

https://www.sankei.com/politics/photos/200524/plt2005240006-p1.html
 中国公船、日本の抗議後も尖閣領海で漁船追尾 今月上旬、領海外でも45キロ
2020.5.24     膨張する中国 尖閣諸島周辺の領海で日本漁船を追尾した中国海警局の船=10日(金城和司さん提供)  
 中国海警局の船が5月上旬に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入して日本漁船を追尾した問題で、8日の日本政府の抗議後も2日間にわたり中国公船が漁船を追尾していたことが24日、分かった。10日に漁船が与那国島(同県与那国町)に向かった際も領海の外で約45キロ追尾した。政府関係者や漁船船長らが明らかにした。政府は一連の動きを特異な行動と位置づけ、分析を進めている。
 海保などによると、尖閣周辺を航行中の中国公船4隻が8日午後4時ごろから相次ぎ領海に侵入した。そのうち2隻が与那国島の漁船「瑞宝丸」=金城和司船長(48)=に接近して追尾したため、瑞宝丸は海保の指示を受け、いったん領海の外に出た。日本政府は8日に複数のルートで中国側に抗議した。
 追尾は8日だけでなく、瑞宝丸が領海内に戻ると再び中国公船が現れ、9日から2日間にわたり領海内で瑞宝丸を追尾・監視した。電光掲示板で瑞宝丸に「退去」を命じ、約30メートルの距離まで接近することもあった。中国公船は領海内に約26時間滞在。瑞宝丸は10日午後7時ごろに漁を終えて与那国島に向かったが、中国公船の追尾は11日午前0時ごろまで続いたという。
 中国公船は「退去命令」にあたり、無線やスピーカーは使わず、放水なども行わなかった。瑞宝丸の乗員3人にけがはなかった。
 中国公船の動きは、日本の実効支配を揺るがす意図があったとみられる。中国外務省の趙立堅報道官は11日の記者会見で、日本漁船が「中国の領海内で違法な操業をした」と主張。「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の問題で新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と述べた。新型コロナウイルスの感染拡大に乗じ尖閣周辺での存在感強化を図った可能性もある。
 尖閣諸島をめぐっては、昨年5月にも中国公船が日本漁船を追い回す事態が発生している。この際、漁船に乗っていた石垣市の仲間均市議(70)は産経新聞の取材に「中国公船はボートを下ろそうとしていた。退去命令に従わなければ拿捕(だほ)するぞという脅しだと思った」と証言した。