武漢肺炎は日本では重篤患者の爆發的増大になってゐない。それはほぼ一月末から見えて來た。一方でチャイナでは三十四都市封鎖といふ驚くべき事態となり、あまりの落差に訝しく思った。この落差は何なのか、チャイナにゐる私の卒業生に電子メールで意見を訊ねると、答へて曰く、
「先生、日本の醫療水準だから重篤にならないので、チャイナでは封鎖以外に手がありません」
と。さうか、確かに衞生も何もない。私もあの國の實態を少し忘れてゐた。

 今最大の問題は、感染爆發しない日本が、風評により感染列島の如くに見られることだ。チャイナほどではないが日本も感染者數世界第二位だから、風評だとばかり言っても説得力がない。
 世界の風評を阻止するには、一月二十日、武漢封鎖前の段階で、諜報により武漢封鎖を察知し、即刻全土入國禁止措置を取るべきだった。法的には何ら問題ない。何故ならその後、武漢湖北からの入國を禁止したのだから、他省に對しても同じことだ。
 武漢肺炎のみならず、反尖閣、反竹島、反捕鯨などの活動家にも入國拒否すべきだ。入國者を選別するのは國家の基本的主權だから、法律の條文は必要ない。自衞權と同じだ。外務省の説明にも、
「外国籍の方が日本に入国する自由はもちろん,在留の権利ないし引き続き在留することを要求する権利は憲法上保証されているものではありません」 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/faq.html
 とある。今後、感染症について新たな立法をのんびりやっても、また別の場合に同じく立法が必要となる。さうではなく、國家の基本的主權にもとづき、立法せずにビザ隨時取消を通例とすべきだ。ビザ取り消しに理由を提示する必要は法的に無い。
 自衞隊のネガティブポジティブリストと同じことで、法的規定が無い場合は國家主權といふ法理を以て阻止する。ビザ發行停止は勿論のこと、ビザがあっても入國審査權は日本に在り、隨時理由を提示せずに審査不合格とできる。
 自衞隊のネガティブリストポジティブリストと同じで、拒否できるのはどんな場合かだけ法律に書いてある。あらゆる法律がさうだらう。それを全部改正するのは不可能だ。該當しない場合は法的國家主權を以て拒否しないと、小田原評定にしかならない。
 邦人迎接航空機を三機飛ばしたことが賞贊されてをり、そのためにはチャイナ人受け容れはやむを得なかったとの聲があるが、それは結果論である。中東アフリカなどからの救出の際にどれだけ國益を犠牲にして良いのかといふ問題と同じだ。人命は地球より重いといふ迷言を思ひ出す。

 風評により、バッハ會長が五輪中止を突然宣言すれば、日本の損失は一兆圓に上るだらう。今、毒性強弱の議論に既に意義は無い。風評阻止のため果斷な措置、既に遲いがそれでも果斷に實施すべきだ。
 
 實施せずに風評を回避してゐても、必ず未確認情報は人々の議論の的となる。デマだと決めつけず議論すべきだ。毒性の弱いウイルスだから、武漢ウイルス研究所の生物兵器である可能性は極めて低いが、研究所の試料ウイルスが漏泄した可能性はある。
米ABC放送によれば、トランプ大統領は感染源の徹底調査を命じたとのこと。
 當然これは、研究所漏泄の可能性をも回避せずに調査するだらう。科學として事實檢證は簡單だ。武漢ウイルス研究所が、研究試料の蝙蝠コロナウイルス等の遺傳子を全部公開すれば、武漢肺炎と同一か否かすぐ分かる。日本政府は武漢研究所に公開させるやう聲明を出すべきだ。まあチャイナ政府は公開しないだらう。

 議論を避けたがる日本人、あたかも近代以前の尖閣史と同じである。近代以前といふものを現代法で評價するのが難しいため、歴史を避けて現代法だけを議論したがる。彼らは法的か否か以前に、森羅萬象の眞相を見極めたくないのだらうか。情けない。史實は最初から史實として明らかなのではなく、未確認情報を探求して後に史實に到達できる。未確認情報を全てデマと決めつける愚かな研究者は存在すまい。
 今、尖閣史を避けると同じ思惟法が肺炎についても見られる。未確認情報をデマと決めつける。そして何もせずに徒らに時が過ぎてしまふ。噫。

ABC_news20200206