著名な考古學者、黄文弼は、昭和八年(1933年)にロプノールを
調査し、前漢の古紙を發見した。
その原物は、搜しても現存しないやうである。
インターネットの文章では昭和12年に武漢で文化財展示中に
日本軍空襲で燒失したなどと書かれてゐる。
ところが燒失について確かな情報を今求めても見つからない。
あの國のことだから、何でも日本が惡いことにしておけ、
といふ類の噂なのだらうか。
紙切れだけが爆撃されたわけでもない筈だから、
黄文弼の保管したロプノール遺物は全般にどうなったのか。

「羅布淖爾攷古記」黄文弼著
    國立北平研究院史學研究所 1948.12 中國西北科學考察團叢刊, 1
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN02661064
ロプノール紙原物の寫眞はこちらに載ってゐる。
圖版二十三の圖25。
西漢紙黄羅布淖爾考古記圖版23圖25

そして解説文。
 圖版の撮影年月が書かれてゐないが、
どうやら戰後の出版時に撮影したやうな書き方である。
空襲で文化財が燒失したことは書かれてゐない。
こちらリンク新疆師範大學黄文弼中心センターの解説にも
 空襲による文化財燒失は書かれてゐない。
以上だけでは確かなことは言へないが、
後の黄文弼關聯資料に、出土品の行方について
どう書かれてゐるのか、センターに問合せるなどして
今後確かめたい。特にロプノール前漢紙の行方が知りたい。

關聯: 

http://senkaku.blog.jp/20181109papyrus.html

http://senkaku.blog.jp/2018110778099753.html

http://senkaku.blog.jp/2018110978117056.html

http://senkaku.blog.jp/20181111_parchment.html

http://senkaku.blog.jp/2019091580976325.html

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