皇室史專門家・所功氏の言ひ分。科學を惡用してゐる。
第7回 皇室典範に関する有識者会議
平成17年6月8日(火) 1 0 : 0 0 ~
於: 三田共用会議所大会議室
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/dai7/7gijisidai.html
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/dai7/7siryou3.html
もし、神武天皇の男系男子孫に「Y染色体の刻印」が伝わっている、というようなことを皇位継承の資格要件の一つというならば、そのような男子は全国にたくさんいるはずです。既に平安の初めにできた『新撰姓氏録』は、京都と畿内の氏族の記録でありますけれども、それによりますと、神武天皇から嵯峨天皇に至るまでの歴代から分かれた男系男子孫は、これを皇統から分かれた「皇別」と申しますが、「皇別」氏族が335 もあります。また、嵯峨天皇以降、それに続く賜姓源氏とか、あるいは賜姓平氏がたくさんあります。そういう臣籍降下した各氏族の男子孫には、すべて「Y染色体の刻印」が受け継がれておるということにもなりますから、そのこと自体は大きな意味を持たないのではないかと私は思います。
Y染色體説を利用して理屈を通さうとしてゐるが、皇統Y染色體保持者が全員皇位を繼承し得るといふ前提を勝手に作り出してゐる。しかし所功氏自身の言ふ通り、「皇位繼承の資格要件の一つ」に過ぎないので、所謂必要條件であって、充分條件ではない。そこを所功氏は誤魔化してゐる。
ところがこの必要條件の確認は難しい。まづ皇族については、自然科學を以て染色體を確認することは不敬であるから確認を要しない。ただ皇統譜を以て確認とするのが古來日本國のかたちである。染色體を知らぬ古代に於いては、系譜を以て皇統の直系を確認した。つまり皇統なるものを今の自然科學で言ひ換へればY染色體といふ用語になる。それ以上でも以下でもない。
源氏平氏等は、系譜としてもY染色體確認が困難である。そもそも家譜といふのは誤りや改竄が常であり、絶對的に信頼すべきものではない。唯一絶對の信頼を置くべきが皇統である。自然科學で確認せずとも皇統を信頼するのがわが國の前提となる「かたち」、國體なのである。そして皇統から五世離れれば、絶對の信頼すべき皇統とは認めないのが古來の律令である。 つまり、男系とかY染色體とかいった用語はそもそも不要であり、直系・一系で良い。系・統はともに絲偏に從ひ、原義は「つながる絲」である。つながらない系統には、別のつながりが有るから「別系」と呼ぶ。藤原系や小室系こそが別系に外ならない。よって直系・一系といふ語すら不要である。ただひたすらに皇統、それだけに過ぎない。別系は皇統ではない。それ以上でも以下でもない。
さて、この皇統なるものを自然科學で見た場合に、繩文直系である可能性が今、明らかになりつつある。明らかになった曉には、成る程と喜べば良い。繩文直系を自然科學で呼び換へれば繩文Y染色體と呼ぶ。そして、直系は皇統の前提であって、染色體の確認を要しない。ただ貴種のY染色體が永續して來た可能性がある以上、その皇統を別系に入れ替へてはならない。それ以上でも以下でもない。
まあ考へてもご覽なさい。別系藤原系小室系になれば、下の寫眞の皇統が無くなるのである。良いのですか皆さん。
なほ、皇統譜は2700年。アルファベットほど古くない。繩文直系は一萬年を優に超える。
律令の禁令。女帝は皇族としか結婚できない。女性宮家は禁を犯す。
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