八月二十八日締切。教科書檢定パブリックコメント送信濟み。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/1407384.htm

第一に、日本史。今までの教科書では、琉球が日清兩屬となってゐますが、歴史學としては片面に過ぎません。清國が琉球を統治したことは一度も無く、一方で江戸時代の薩摩藩が琉球を統治した史料は膨大にあります。これは史學の共通認識です。よって日清兩屬は形式に過ぎません。琉球は日本の一部でした。
 また、清國との形式的兩屬を恥としたのは日本だけでなく、タイでも同じく、近代に至って清國への朝貢を恥として停止しました。また、琉球以外の各藩も近代的中央集權ではなく、半獨立的な緩やかな封建制でした。世界的にも中央集權は稀でした。よって琉球に對する幕府の統治がやや緩やかだったのは當然であり、琉球だけが獨立的だったといふ事實は存在しません。
 また、明確な日本の統治開始が遲かったのは奧州や北海道も同じであり、政治面では日本國の領土は神武天皇の時代には九州北部と山陽近畿だけでした。しかし文化面では千島列島から沖繩まで全て日本繩文文明でした。
 そもそも世界的に、國家といふ制度が成立してからわづか數千年に過ぎず、繩文文化よりも若いのが國家制度です。世界の國家は次第に領土を廣げました。日本も同じです。但し現代日本の領土だけは奇跡的に繩文文化の領域とほぼ一致してゐます。國家成立の歴史、日本の領土の歴史を全體として教科書に記述すべきです。琉球だけが日清兩屬だとか、琉球だけが獨立してゐたなどの虚僞の記述は、教科書檢定で排除すべきです。

第二に、漢文。漢文教育の衰退の原因は儒教偏重に在ります。漢文文明の多樣性は近年ますます研究で明らかになってゐます。多樣な漢文教材が教育に活用できます。百田尚樹氏が「漢文教育を廢止せよ」と主張したのは或る側面で正しいと思ひます。今のまま儒教だけの化石となった漢文教育では、百田氏を始めとして國民の幅廣い支持を得ることができません。漢文教育の多樣性を檢討する委員會を作り、基準を大幅に改定すべきです。その際に、「漢文教育學會」に主導權を與へると、ほとんど現状と變はらぬ結果になります。ウイグル研究、モンゴル研究、臺灣研究、チベット研究、東西交流史研究など、樣々な分野の叡智を結集して新たな漢文教育の基準を設けるべきです。

百田尚樹漢文

https://www.youtube.com/watch?v=byYQ6bnmu2I