「古琉球期の琉球王国における「海船」をめぐる諸相」  岡本弘道
    東アジア文化交渉研究 1, 221-248, 2008    関西大学
(再録:琉球王国海上交渉史研究、榕樹書林, 2010)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110006944091
http://gajumarubook.jp/?pid=50035837
凄い論文。十年後にこれを讀む私は隨分迂闊者だ。榕樹書林のを昨年純心で購入し、抛置してゐた。

琉球の半印勘合。琉球獨自の勘合制度。明國勘合貿易や月港の船引、秀吉家康の朱印船などとならぶ。

明國から下賜された船名を琉球獨自に改名してゐた。

琉球から明國への進貢船の大きさ。西暦1520年から急に小さくなる。小船は小囘りを重視。

琉球から明國などへの歴年進貢船一覽は先行研究を補ってゐる。

他にも色々と有益なことが書いてあるやうだ。反復熟覽せねばならない。ウーマン村本氏「琉球をチャイナから奪ったんでせう」といったイメージは實の處、學界にも廣がってゐて、學界の責任も大きい。そのイメージを正すために必要な重要論文の一つに違ひない。書中の他章と併せてよく讀まう。



琉球進貢船圖