八重山日報。刊行後の單日ご購入はリンクから。
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以下は八重山日報平成二十九年五月十五日第五面「國際法の始祖グロチウスと尖閣朱印船時代」第四囘より。

……ペリー來航後の西暦1854年に至り、長山樗園(ちょゑん)『大日本唐土輿地全圖』(横濱市立大學デジタル公開)では、釣魚臺を省略しながらも、黄尾嶼・赤尾嶼を琉球の黄色に刷ってある。臺灣(たいわん)から福建までは抹茶色となってゐる。手彩ではないので、軍學者長山樗園自身が尖閣を臺灣福建の外としたのだらう。
 西暦十九世紀前半までの歐洲製地圖では、黄尾・赤尾を往々琉球の色に塗るので、長山圖はそれを採用した可能性がある。勿論尖閣未編入時だから、着色の一例に過ぎない。なほ松島(今の竹島)は位置不精確ながら隱岐の黄色に刷られ、樺太北半は滿洲の桃色に刷られてゐる。
 末尾ながら、八重山日報五月四日第六面に元空將織田邦男氏の重要な指摘があった。大意に曰く、「先に自衞隊を出すと、チャイナは日本が先に軍を出したと國際社會に宣傳(せんでん)する。日本は輿論戰にやられてしまふ」と。精到の論だ。自衞隊常駐のために必要なのは世界的輿(よ)論戰に勝つことである。それには國際法でも安全保障でも足りない。歴史戰こそ勝負の鍵となる。
 宏闊にして悠久、嗚呼偉なるかな尖閣史。世界の九割の人々がそれを理解した時、自衞隊は世界的支持のもとで尖閣に常駐できる。歴史をマニアだとか趣味だとか馬鹿にするやうでは尖閣を守れない。尖閣の主役は歴史である。


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上の引用文中の長山樗園『大日本唐土輿地全圖』、横濱市立大學デジタル版を下に載せておきます。
長山樗園大日本唐土輿地全圖横濱市立大學藏1

長山樗園大日本唐土輿地全圖横濱市立大學藏2

關聯書誌リンク。

http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~ycu-rare/views/WC-2_1.html?l=1&n=165

http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA78349264

http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/DChiri/yamasakibunko/mokuroku/browserecord.php?-action=browse&-recid=417

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