2016.12.30 10:52更新

対中韓情報戦、官民で取り組み 政府が民間シンクタンクに補助金制度新設 新年度予算案で計上

 政府が領土問題などの対外情報発信を強化するため、民間シンクタンクなどの研究機関との連携を強化することが29日、分かった。「領土・主権・歴史」をテーマに、日本の主張の裏付けとなる客観的事実を調査研究する機関への補助金制度を新設する。尖閣諸島(沖縄県石垣市)や竹島(島根県隠岐の島町)に関し、プロパガンダ(政治宣伝活動)を通じ対外的に領有権の主張を強めている中国や韓国に対抗する狙いがある。

 これまでも「外交・安全保障」に関する調査研究への補助事業はあったが、尖閣諸島や竹島をめぐり中韓の動きが活発化している情勢を踏まえ、「領土・主権・歴史」の包括的な調査研究を支援していく必要があると判断した。平成29年度予算案に5億1千万円を計上した。

 早ければ年度内にも公募を始め、補助金交付対象の1機関を決める。研究機関は、領土問題について歴史的、学術的な調査研究を行い、政府はその成果を活用して国内外に日本の主張や立場を普及させる。戦後補償に関する裁判や慰安婦などの歴史問題についても、主張の裏付けとして調査結果を生かしていく考えだ。

 政府は内閣官房の領土・主権対策企画調整室のホームページに尖閣諸島や竹島を日本が戦前から統治していた根拠を示す文献を掲載するなど情報発信に取り組んではいるものの、シンクタンクやメディアを通じて官民一体となって領土に関する情報戦を仕掛ける中国、韓国の取り組みに比べ引けをとっているのが現状だ。

 今年7、8月には相次いで韓国の国会議員や政府関係者が竹島に上陸。特に8月の上陸は、平成27年末の日韓合意に基づいて日本側が元慰安婦を支援する財団に10億円の拠出を決めた直後のタイミングで、改善の兆しが見えてきたた日韓関係に水を差す格好となった。12月にも韓国軍兵士が5年ぶりに上陸した。こうした不法占拠を既成事実化しようとする動きに対抗するためにも、政府による戦略的な情報発信態勢の強化が急務となっている。 
http://www.sankei.com/politics/news/161230/plt1612300007-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/161230/plt1612300007-n2.html


産経新聞20161230