先週金曜11/4、NHK第一テレビの歴史秘話ヒストリア「80日間世界一周」第一話が放送された。再放送は今日金曜十一月十一日午後四時五分、第二話が同じく午後八時だといふ。
 昨日掲載されたものは、新聞オンライン『八重山日報』 平成二十八年十一月十日(木曜)第四面。
http://www.shimbun-online.com/latest/yaeyamanippo.html
「歐洲史料 尖閣獺祭録」 連載第八十四囘  堺事件の軍艦、香港から尖閣へ、『八十日間世界一周』の航路か ~西暦千八百六十九年 トゥアール『デュプレ艦紀行』(フランス)
以下、その續きを少し書いて置かう。

 ジュール・ベルヌは世界紀行に着想する小説で著名だ。「八十日間世界一周」「十五少年漂流記」「海底二萬海里」。ベルヌはどんな地理學を基本としてゐたのか。まづラペルーズの尖閣を、ベルヌが琉球の島と理解したことは、本ブログで既に述べた。
 また、ベルヌはドイツのシュティーラーの地圖手册を藏してゐたさうだ。論文がある。
「Jules Verne's textual mapping : plotting geography」
    Creator: Mastro, Julia Elizabeth Ramaley
https://cdr.lib.unc.edu/record/uuid:41ed9a93-2e6f-44e1-a7d4-418ddef8f024
https://cdr.lib.unc.edu/indexablecontent/uuid:41ed9a93-2e6f-44e1-a7d4-418ddef8f024

またベルヌはゴータ製地圖(シュティーラー系列を中心とする)を愛用してをり、作品中にたびたび使用してゐるさうだ。Elena Rauch女史「ベルヌとゴータの地圖」(Jules Verne und die Karten von Gotha)リンク:
http://www.thueringer-allgemeine.de/web/zgt/leben/detail/-/specific/Jules-Verne-und-die-Karten-von-Gotha-1859903272
Frank Quilitzsch 「倉庫に眠るゴータの地圖群」(Gothas einzigartiger Kartenschatz schlummert noch im Depot)リンク:
http://www.tlz.de/web/zgt/kultur/detail/-/specific/Gothas-einzigartiger-Kartenschatz-schlummert-noch-im-Depot-1879775855

 シュティーラー圖といへば、尖閣の西側に界線を引くことで近年注目されてゐる。シュティーラーの尖閣認識は、ラペルーズが出發點であるから、ベルヌが尖閣を琉球に入れたのもむべなるかな。小説『十五少年漂流記』にもシュティーラー地圖手册が四ヶ所出て來る。
一つ目は第四章、アメリカの少年ゴードンがシュティーラー圖は最も完備した現代地圖らしいとする。
https://fr.wikisource.org/wiki/Deux_Ans_de_vacances/Chapitre_4

二つ目と三つ目は第六章と第十章、ゴードンが船艙内書庫のシュティーラー圖のうち太平洋圖數枚を熟覽したこと。
https://fr.wikisource.org/wiki/Deux_Ans_de_vacances/Chapitre_6
https://fr.wikisource.org/wiki/Deux_Ans_de_vacances/Chapitre_10

四つ目は物語後半の第二十七章、少年らが二年間住んだ島は太平洋でなくマゼラン海峽の島だと知る場面だ。
https://fr.wikisource.org/wiki/Deux_Ans_de_vacances/Chapitre_27

ゴードン少年_Two_Years_Vacation_第10章
 ▲ゴードン少年(原作插圖、今ウィキペディアより)

ベルヌは自分でも製圖するほどの半職業的製圖家だったさうで(リンク)、
http://www.depauw.edu/sfs/backissues/95/harpold95-images.htm
シュティーラー圖らしき圖に人物の足跡を書き入れたりしてゐるさうだ(上リンクの註23)。
他に關聯リンク:
https://www.uni-erfurt.de/jp/uni/einrichtungen/presse/pressemitteilungen/2015/119-2015/

殘念ながら『海底二萬海里』及び『八十日間世界一周』にはシュティーラー圖が出て來ない。


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其の一は
http://senkaku.blog.jp/2016091965959823.html
こちら。

詳細は、八重山日報の連載「尖閣獺祭録」第八十六囘(十一月十七日もしくは十八日)でご覽頂きたい。


記録:
http://archive.is/MF8mh
https://web.archive.org/web/20161111015044/http://senkaku.blog.jp/20161111verne.html

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