ジュール・ベルヌは世界紀行に着想する小説で著名だ。「八十日間世界一周」「十五少年漂流記」「海底二萬海里」。ベルヌはどんな地理學を基本としてゐたのか。まづラペルーズの尖閣を、ベルヌが琉球の島と理解したことは、本ブログで既に述べた。
 また、ベルヌはドイツのシュティーラーの地圖手册を藏してゐたさうだ。論文がある。
「Jules Verne's textual mapping : plotting geography」
    Creator: Mastro, Julia Elizabeth Ramaley
https://cdr.lib.unc.edu/record/uuid:41ed9a93-2e6f-44e1-a7d4-418ddef8f024
https://cdr.lib.unc.edu/indexablecontent/uuid:41ed9a93-2e6f-44e1-a7d4-418ddef8f024
シュティーラーの尖閣認識は、ラペルーズが出發點であるから、ベルヌが尖閣を琉球に入れたのもむべなるかな。これにつき詳細は今後探究するとして、小説『十五少年漂流記』の和譯にもシュティーラー地圖手册が出て來る。物語後半の第二十七章、少年らが二年間住んだ島は太平洋でなくマゼラン海峽の島だと知る場面だ。原作佛文でどうなのか、確認してから本ブログでご報告しよう。八重山日報の連載「尖閣獺祭録」でも書くつもりだ。

ジュールベルヌ
  ▲ジュール・ベルヌ。


記録:
http://archive.is/JOi5O
http://web.archive.org/web/20160918154010/http://senkaku.blog.jp/2016091965959823.html