ダイヤモンド・オンライン
「オバマ広島演説に込められた原爆慰霊碑文の精神」
(編輯部共撰、編輯長深澤獻)
曰く、
『広島市も日本政府も、一貫して米国には謝罪を求めたことはない。日本政府は2007年7月に、鈴木宗男衆議院議員による「第二次世界大戦が終結して以来、政府は米政府に対して我が国に対する原子爆弾投下について抗議を行ったか」との質問に対して、安倍首相が「米国政府に直接抗議を行ったことは確認されていない」と答えている。』
http://diamond.jp/articles/-/92075?page=4

 上記の文章で鈴木議員は終戰後の抗議を言ってゐる。とすれば安倍首相の答辯は正しいが、折角だから終戰前の抗議文について言及すべきだった。
 以下は名文として知られるやうになった抗議文。西村幸祐氏より教へて頂いた。授業でも取り上げたことがある。ここに載せて置かう。朝日新聞昭和二十年八月十二日第一面。(畫像はツイッターより)
https://pbs.twimg.com/media/CjcarZ8UgAUjPgl.jpg
https://pbs.twimg.com/media/CjcaqyYVEAI4uN8.jpg
朝日新聞昭和200812第一面原爆抗議文1twitter
朝日新聞昭和200812第一面原爆抗議文2twitter

 本月六日米國航空機は廣島市の市街地區に対し新型爆彈を投下し瞬時にして多數の市民を殺傷し同市の大半を潰滅せしめたり。

 廣島市は何ら特殊の軍事的防備乃至施設を施し居らざる普通の一地方都市にして同市全体として一つの軍事目標たるの性質を有するものに非ず、本件爆撃に関する聲明において米國大統領「トルーマン」はわれらは船渠工場および交通施設を破壞すべしと言ひをるも、本件爆彈は落下傘を付して投下せられ空中において炸裂し極めて廣き範圍に破壞的效力を及ぼすものなるを以つてこれによる攻撃の效果を右の如き特定目標に限定することは技術的に全然不可能なこと明瞭にして右の如き本件爆彈の性能については米國側においてもすでに承知しをるところなり、

 また実際の被害狀況に徵するも被害地域は廣範圍にわたり右地域内にあるものは交戰者、非交戰者の別なく、また男女老幼を問はず、すべて爆風および幅射熱により無差別に殺傷せられその被害範圍の一般的にして、かつ甚大なるのみならず、個々の傷害狀況より見るも未だ見ざる慘憺なるものと言ふべきなり。

 抑々交戰者は害敵手段の選擇につき無制限の権利を有するものに非ざること及び不必要の苦痛を與ふべき兵器、投射物其他の物質を使用すべからざることは戰時國際法の根本原則にして、それぞれ陸戰の法規慣例に関する條約附屬書、陸戰の法規慣例に関する規則第二十二條、及び第二十三條(ホ)号に明定せらるるところなり、

 米國政府は今次世界の戰乱勃発以來再三にわたり毒ガス乃至その他の非人道的戰爭方法の使用は文明社會の輿論により不法とせられをれりとし、相手國側において、まづこれを使用せざる限り、これを使用することなかるべき旨聲明したるが、

米國が今回使用したる本件爆彈は、その性能の無差別かつ慘虐性において從來かゝる性能を有するが故に使用を禁止せられをる毒ガスその他の兵器を遙かに凌駕しをれり、

米國は國際法および人道の根本原則を無視して、すでに廣範圍にわたり帝國の諸都市に対して無差別爆撃を実施し來り多數の老幼婦女子を殺傷し神社佛閣學校病院一般民家などを倒壞または燒失せしめたり、

 而していまや新奇にして、かつ從來のいかなる兵器、投射物にも比し得ざる無差別性慘虐性を有する本件爆彈を使用せるは人類文化に対する新たなる罪惡なり

 帝國政府はこゝに自からの名において、かつまた全人類および文明の名において米國政府を糾彈すると共に即時かゝる非人道的兵器の使用を放棄すべきことを嚴重に要求す