臺灣のひまわり學生運動から始まった新政黨「時代力量」について、日本の保守派媒體が報じない、と一月十日に書いたのだが(リンク)、
http://senkaku.blog.jp/2016011052279706.html
その後時事通信はやや大きく取り上げた。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016011200861
かの賣國と呼ばれる朝日新聞までも、時事通信より大きく取り上げた。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12167548.html
ところが讀賣は、朝日及び時事よりも小さく、議席數のついでに輕く取り上げるのみだ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160117-OYT1T50012.html
共同通信は完全に無視してゐる。もともと共同通信はそんな通信社だから放っておけば良い。

 さて問題は愛國者の星、産經新聞である。産經は一月十四日、民進黨を説明する中でわづかに一語のみ言及した。曰く、
http://www.sankei.com/world/news/160114/wor1601140055-n1.html
…ただ、選挙協力する第3勢力の新党「時代力量(時代の力)」への立法委員選での比例票流出を避けるため、民進党に投票を集中するよう訴えてもいる。
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と。たったのこれだけだ。ほぼ完全無視と言って良い。舉句の果てに、産經關聯メディアironnaで兒玉克哉氏が高く評價したのを、やむを得ず産經サイトに載せてゐる。曰く、
http://www.sankei.com/world/news/160124/wor1601240024-n3.html
新政党「時代力量」は台湾の若者の力が大きな原動力となった。今回の選挙で打ち出された台湾の方向性は香港の若者の心を動かしうる。
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と。また、クリス三宅氏も九州産經インタビューの中で高く評價してゐる。曰く、
http://www.sankei.com/west/news/160123/wst1601230077-n1.html
 私が注視したのは、新党「時代力量(時代の力)」です。この党は、2014年に馬政権が、台中間の「サービス貿易協定」批准に向けた審議を進めたことをきっかけに起きた「ひまわり学生運動」から生まれたのです。
 台湾の学生は、巨大な中国に取り込まれることへの脅威を、強く感じています。台湾の利益などの事実を冷静に考えている。時代力量は台湾の立法院(国会に相当)で5議席を獲得しました。
 これに比べて、安保法案に反対した学生グループ「SEALDs(シールズ)」は、基礎知識を持たず、勢力を拡大する中国を利する発言ばかり繰り返しています。あまりにレベルが違うと感じました。

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と。要するに、これら個人が時代力量を高く評價するのを、周縁的に載せざるを得なくなっても、なほ産經本社は報じない。勿論わざとさうしてゐるのだ。これにより産經は愛國でなく保守なのだと分かる。保守にして且つ親(しん)チャイナだったりもする。保守だから新興勢力に對して鈍感であり、排除的である。そんな産經を、愛國者の星だと持ち上げるばかりで批判しないやうでは、日本の愛國運動はもう駄目だらう。


林昶佐