北小島燈臺
  ▲北小島燈臺


「尖閣に自衞隊が常駐するには數千人規模の兵力が必要なので不可能である。自衞隊は奪はれてから取り返すといふ防衞方法を採用してゐる」
との説が流布してゐる。例へば下のブログのリンク。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50672815.html
ブログなどに限らず、公式の分析でも同樣の説明が多い。實際に現在の西南諸島防衞方針はさうだらう。尖閣を取り捲く海域に兵力を大幅に増強してゐる。かなりの預算が投じられてゐる。しかし尖閣の陸上に常駐しない。
 この考へ方は全くの詭辯だ。同じ理屈ならば與那國島にも自衞官が數千人必要だが、計劃では150人常駐ださうだ。リンク:
http://www.huffingtonpost.jp/2015/02/22/yonaguni-referendum_n_6729828.html
對馬に常駐する自衞官もわづか350人だ。リンク:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E9%A6%AC%E8%AD%A6%E5%82%99%E9%9A%8A_%28%E9%99%B8%E4%B8%8A%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%29
自衞隊でなくとも、人口わづか數十人の小島は日本各地に存在する。數千人必要だとの説は嘘だ。
 「尖閣にはチャイナが攻めて來るが、與那國島には攻めて來ないから」といふ言ひ譯は有るだらう。ならばそれは「或る島には攻めて來るが、或る島には攻めて來ない」といふ政治的要素にもとづく。チャイナが與那國を攻撃すると、國際輿論が容赦しないだらう。さういふ政治的原因で、與那國には暫時攻めて來ない。だから與那國に數千人は常駐しない。
 尖閣にチャイナが攻めて來たら、國際輿論は百パーセント日本支持とならず、多目に見積もっても七對三だらう。なぜなら尖閣古史の虚構が世界に流布してをり、それを論理的に否定する私の研究が流布してゐないからだ。私の研究をオールジャパンの力で世界に散布してもらへば、世界輿論は百パーセント日本を支持するだらう。それを日本政府も民間もせず、現代國際法だけを叫ぶのだから、輿論戰で日本は完勝できない。さういふ政治的要素により、尖閣は危ふくなってゐる。
 要するに尖閣常駐が實現しない原因は、軍事でなく政治的要素だ。政治的要素を考慮するならば、尖閣に常駐した場合の政治的効果は極めて高いこと、誰でも分かる話だ。安倍政權は公約を守るべきだ。まづ即刻石垣島に中古レーダーを置く。次に三箇月以内に尖閣に常駐用燈臺を建てて、看守を三名置く。數日ごとに交替させる。次に尖閣にレーダーを設置する。これも中古品を運べば良い。次に自衞隊基地を建設する。もう安倍政權の初期からやっておくべきことだった。
 安倍政權は何故尖閣常駐の公約を破ったのか。それはアメリカ・經團聯・チャイナに對して配慮してゐるのである。このままでは尖閣はもう駄目だ。